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2022年より導入される小学校の「教科担任制」ねらいや課題を解説   [2021-07-27]


2022年度より、全国の公立小学校の高学年に対し「教科担任制」が導入されることが決定しました。従来の学級担任制から大きく体制が変化するこの施策は、教育界において多くの期待や不安が寄せられています。本記事では小学校の教科担任制のねらいや課題について解説していきます。
 
1.教科担任制とは?
教科担任制とは「1人の先生が特定の強化を担当し、複数のクラスを教える方法」です。中学校や高校では一般的に教科担任制がとられていますが、現在多くの小学校では学級担任制がとられています。学級担任制とは「1人の先生(担任)がほとんどの教科を受け持つ方法」です。
  
2.2022年より導入開始!「教科担任制」のねらいとは?
ではどうしてこれまで学級担任制をとってきた小学校が中学校や高校と同じような教科担任制を導入することになったのでしょうか。教科担任制の導入の趣旨は文科省によると次の4点が挙げられています。
 
ねらい1:教員の指導力・児童の学力向上の観点
教材研究の深化等により、高度な学習を含め、教科指導の専門性を持った教師が多様な教材を活用してより熟練した指導を行うことが可能となり、授業の質が向上。児童の学習内容の理解度・定着度の向上と学びの高度化を図る。
 
ねらい2:教員の働き方改革の観点
教師の持ちコマ数の軽減や授業準備の効率化により、学校の教育活動の充実や教師の負担軽減に資する。
 
ねらい3:多面的な指導・児童理解の観点
複数教師(学級担任・専科教員)による多面的な児童理解を通じた児童の心の安定に資する。
 
ねらい4:中一ギャップ解消の観点
小・中学校間の連携による小学校から中学校への円滑な接続を図る。
 
 
3.なぜ小学校高学年のみに導入されるの?
なぜ今回の教科別担任制は小学校低学年には導入されず、高学年から導入されるのでしょうか?文科省による資料「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について」では次のように述べられています。
 
児童の発達段階を踏まえ、日常の事象や身近な事柄に基礎を置いて学習を進める小学校における学習指導の特長を生かしながら、中学校以上のより抽象的で高度な学習を見通し、系統的な指導による中学校への円滑な接続を図る必要があります。小学校高学年は特に児童の心身が発達し、一般的に抽象的な思考力が高まる段階であり、それに伴って各教科等の学習が高度化するタイミングで教科担任制を導入することで高い効果を発揮すると期待されています。
 
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.教科担任制の課題とは?
教科担任制には「教員の指導力・児童の学力向上」「教員の働き方改革」「多面的な指導・児童理解」「中一ギャップ解消」といったメリットが挙げられます。その一方で、以下のような課題も挙げられます。
 
・時間割調整の複雑化
・教員不足
・小規模の小学校での実施が困難
 
・時間割調整の複雑化
1人の先生が5年と6年の「算数」を担当する場合、もし6年生の修学旅行に引率するとなるとスケジュール調整が難しくなるでしょう。他にも運動会や課外活動などで変則的な時間割になった場合、調整がスムーズにできず、教科担
任制にした直後は余計な負担になってしまうことも考えられます。
 
・教員不足
学級担任制でも教員不足の問題が深刻になっている中、より多くの人材を必要とする教科担任制の実施は困難な場合があります。また、中学校の免許では原則小学校で教えることはできません。そのため中学校の専門免許を持っている教育人材を小学校の専科教員として積極的に採用できないという課題もあります。義務教育9年間を見通した免許制度の早急な見直しが求められます。
 
・小規模の小学校での実施が困難
1学年1学級など、小規模な学校では導入が難しく、かえって教員の負担になってしまうとの懸念があります。日本の小学校の3分の1が小規模学校となっているため、対策が必要です。
 
5.まとめ
来年度から導入が開始する小学校高学年の教科担任制。今回は、教科担任制の導入のねらいや課題をご紹介しました。大きな体制の変更による教員・児童の困惑を避けるための段階的な実施や、免許制度や教育カリキュラムの見直しなど、慎重な積み重ねが必要になるでしょう。
 



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