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2020年度に小中高で導入「キャリア・パスポート」って何?導入の背景や特徴は?   [2021-11-12]


2020年4月より全国の小中高に「キャリア・パスポート」が導入されました。本記事ではキャリア教育の一環として取り組まれているキャリア・パスポートの導入の背景や目的、特徴をご紹介します。

 
1.キャリア・パスポートとは
「キャリア・パスポート」とは文部科学省によると「学校、家庭及び地域における学習や生活の見通しを立て、学んだことを振り返りながら、新たな学習や生活への意欲につなげたり、将来の生き方を考えたりする活動を行う際に、児童生徒が活動を記録し蓄積するための教材」であるとされています。
 
つまり、キャリア・パスポートとは、子どもたちが小学校から高等学校までのキャリア教育に関する活動について自身で記録し保管するためのポートフォリオのような教材を指します。
 
キャリア・パスポートの目的は、子どもたちにとっては「自身の学習状況やキャリア形成について、見通したり振り返ったりして自己評価を行うとともに、主体的に学びに向かう力を育み、自己実現につなぐもの」であると定義されています。
 
また、教師にとっては「その記述をもとに対話的にかかわることによって、生徒の成長を促し、系統的な指導に資するもの」であると定義されています。
 
キャリア・パスポートに記入すること自体が目的ではなく、あくまで子どもたちの成長をサポートするための手段として活用するものとなっています。
 
 
2.キャリア・パスポートの導入背景
キャリア・パスポートが導入されることとなった背景として、新学習指導要領が挙げられます。新学習指導要領では、小学校から中学校、高校にかけて子どもたちの発達段階を踏まえたキャリア教育の推進が新たに求められるようになりました。
 
その中で2020年4月より、キャリア教育の一環として学年や校種を超えて学習状況やキャリア形成を振り返るための「キャリア・パスポート」が導入されることとなりました。
 
 
3.キャリア・パスポートの特徴
ここからはキャリア・パスポートについてより理解を深めるために3つの特徴をご紹介します。
 
(1)記録は小学校から高等学校まで引き継がれる
キャリア・パスポート最大の特徴は小学校から高等学校まで記録が引き継がれるということです。進級した場合や転校した場合にもそのまま持ち上がることとなります。個人情報を含むため、原則学校側が保管することとなります。学年間での引継ぎは教師間で行い、校種間での引継ぎは生徒を通じて行います。キャリア・パスポートの導入によって、これまで小中高ではっきりと区別されていたキャリア教育が一貫され、中長期的に学びを振り返り、将来の展望に役立てられるようになりました。
 
(2)児童・生徒本人が記入する
キャリア・パスポートは通信連絡簿のように教師が記入するのではなく、児童・生徒本人が自身で記入するという特徴があります。学習や学校生活での目標を自ら設定し、達成度を自己評価できるようになることがゴールとなっています。
 
(3)地域や学校に合わせてカスタマイズする
キャリア・パスポートには特定の様式がなく、各学校や地域ごとに作成しなくてはなりません。文部科学省によって様式が例示されてはいますが、それをそのまま利用するのではなく、各地域や学校の実態に合わせてカスタマイズして利用することが求められており、自由度が高いのが特徴です。
 
キャリア・パスポートの内容は
・自分の良いところはどこか?
・今夢中になっていることは何か?
・どんな自分になりたいか?
・今学期一番頑張ったことは?
など、教科・科目のみ、学校行事等のみの自己評価票とならないように工夫することが求められています。
 
4.まとめ
キャリア教育実践のためのツールとして2020年4月より導入された「キャリア・パスポート」についてご紹介しました。キャリア・パスポートの最大の目的は、自身で目標を設定し、達成度を振り返って自己評価する力を身につけ、学びへのモチベーションを上げることにあります。記入することそのものが目的になってしまわないように、教員の適切な指導が必要です。
 



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